スターフィッシュの誕生
新モデルとして製作した、スターフィッシュ(ヒトデ)が完成しました。
現在のところ、まだ販売の予定はありませんが、ある程度の本数を製作できるようになれば販売を考えています。
お店に飾っていますので、いつでも見ていただけます。
このスターフィッシュには美しさと、生命を感じさせるように作りました。
このモデルの作風、方向性で今後、製作を進めていくつもりです。
スターフィッシュが生まれた経緯、どのような影響から誕生したのかを考えることは、とても興味深いです。
私自身にも思いがけず、知らず知らずのうちに影響を受けているものがあります。
最も影響が近いモデルは、スペクターNSモデルです。
カーブしたボディが特徴的なモデルです。
NSとはネッド・スタインバーガー氏の略であり、ヘッドレスギターの代名詞であるスタインバーガーの製作者でもあります。
ネッド・スタインバーガーは1948年生まれのアメリカのクリエイターであり、
そして、その名前からもわかるようにドイツ人の両親の間に生まれています。おそらくその後、アメリカに移ったのではないでしょうか。
お父さんは、ノーベル物理学賞受賞者ジャック・スタインバーガーであり、高名な研究者であったようです。
先日、観覧してきた、大阪の中ノ島美術館で展示されていた作品には、ジャン・アルプの植物のトルソがありました。
ジャン・アルプは1886年生まれのドイツ出身のアーティストで、有名な彫刻を多く残しています。
地中海群像
鳥の骨格
ネッド・スタインバーガーは初期のころ、椅子の製作者でしたが、ドイツ出身のジャン・アルプの影響を少なからず受けていたのではないでしょうか。
地中海群像で見ることができるフォルム、美しさがスペクターNSモデルにも通じる部分があります。
またアメリカのスペクターNSモデルをコピーした、ドイツのワーウィック社も根底にジャン・アルプの影響があり、
ドイツ人の美に対する意識が近似していたのではないかと推測できます。
ジャン・アルプの作品には、生命を感じさせる美しさがあります。
私はジャン・アルプのように彫刻を掘ることはできませんが、私はギターを製作することができます。
ギターという枠組みの中で、彼のように表現することが私にとってのライフワークとなり、人生を掛けるに値するのではないかと考えています。